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・メーカー・車名 |
スズキ「ワゴンR」 |
・車両概要 |
スティングレーT、660ccターボ、CVT、RBS/スマホ連携ナビ装着車 |
・購入時期・形態 |
13年9月、新車 |
・総走行距離数 |
300km |
・主な使用状況 |
レジャー |
・スタイル外観 |
8 点 |
・スタイル内装 |
7 点 |
・走り |
5 点 |
・操作性 |
8 点 |
・居住性 |
10点 |
・燃費 |
10点 |
・総合評価 |
8 点 |
・寸評(良い点) |
○スタイル:「前モデルと何が変わったの?」という意見をよく聞くし、私も「何が違うの?」と思っていましたが、実車を見ると全然違います。スズキ車の写真写りの悪さは相変わらずです(褒め言葉です)。
○内装:一貫して実用主義だったワゴンRも、ついに乗用車としての質感を高めてきた感じです。第三世代にも質を求めようという兆候はありましたが、第五世代にしてようやくその努力が実りを結んだ感じです。
○走り:加速性能は前車(K6A
Mターボ 60ps)でも十分に思えていたので、R6A ターボ 64psでは当然不満なしです。走行車線側の速度にのって加速する分には、低速から高速までエンジンが唸りを上げるケースは殆どありません。K6Aは乾いた高音だったが、R6Aは重い低音になったのも、個人的には好感度高いです。足回りは相変わらず硬いですが、突き上げを感じるケースは大幅に減りました。
○静粛性:エンジンノイズ、ロードノイズ共に遮音性がよく、特に50km/h以下ではとても静かです。50km/h〜では流石に「静か」とは言えませんが、とはいえ、少なくともコンパクトカーと比較して悪いものではないと思います。100km/hで走行していても、オーディオのボリュームを上げる必要がないレベルです。因みに100km/hでも2500rpmくらい。
○居住性:後席は、スライド量も大幅に増えた事で、荷室を使いたい時、誰かを後席に乗せる時など、ケースに応じてより便利に使えるようになりました。荷室を最小にした時の、後席レッグスペースの広さには驚きです。
○操作性:ドアを閉めた時の音質もかなり改善しました。ラパンに比べればまだ軽い気がしますが、鉄板がびびるような音質ではなく、剛性と密閉性を感じる重い音がします。これは好みだと思いますが、フロントドアはVW車のように、常に閉まる方向に力が働いています。少しだけ開けた状態では静止せず、勝手にパタンと閉じます。私はこういうヒンジは好きですが、人によっては「好きな位置で止めさせてくれよ」と思うかもしれません。
○燃費:23km/L走っています。特に気遣うことなくこの数値は立派!(MH21S型は13〜15km/L位でした)。ハイブリッドカーと違い、あまり状況に左右されず、燃費のブレ幅が小さいのもいいですね。
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・寸評(不満な点) |
×スタイル:街中でよく見かけるだけに、もう少し個性が欲しい。エリオセダンの個性は強烈でした。欲を言えばあれくらいの個性が欲しい・・・
×内装:乗用車に近づいた反面、道具感が減りました。世代を重ねるごとに、ダッシュボード周りの使い勝手が悪くなっている印象があります。具体的には、買い物フックは第二世代(グローブボックス上)の位置が最も使いやすかったし、第三世代のダッシュボード上に広がるトレイも使い勝手が良かった。買い物フックは第五世代でセンターコンソールに戻ってきましたが、位置が低く、小さなコンビニの袋以外は、ひっかけられません(そしてシフトにひっかける事になる)。ダッシュボード上のトレイもなくなってしまいました。運転席側のフタつきの小物入れも気に入っていたんだけどなぁ・・・
×ハンドル操作性:ハンドルは、MH21Sの方が直進位置に戻ろうとする力が強く、アクセル操作だけで角度を戻せるのが好みでした。そんな車に乗っていたので、MH34SはワゴンRもスティングレーも直進位置に戻ろうとする力が殆どなく、ものすごく違和感を覚えています。路面からのフィードバッグが弱いのも善し悪しですね。
×走り:走りはMH21S型のほうが良かった。再加速しようとするシーンによっては、アクセル操作から加速に移るまでのラグが大きくなる事があります。ということで、スティングレー
Tの方が加速競争では勝りますが、アクセルレスポンスの良さ、ハンドルの好みからいって、MH21Sの方が走りは良い、というのが私の感想です。
×RBS(レーダー・ブレーキ・サポート)の操作性:ダイハツのスマートアシストと比較した場合、RBSは前走車発進通知機能がありません。そのため、危険な目に遭うまで出番がありません。私自身は、前走車発進通知機能自体にあまり魅力は感じませんが、もしあれば、日常で「あ、動作してるんだな」とチェック出来るシーンがあるかも。RBSはそれがないため、壁に向かってアクセル踏むくらいしか動作チェックができませんので勇気がいりますし、というか危ないのでやめた方がいいでしょう。「イザ」という時に「壊れてました」とならない事を祈ります。
×スマホ連携ナビの操作性:HDMI/MHLで接続しても、スマホの画面をそのまま映す事は出来ません。これが出来れば使い道が広がるのに、わざわざその機能を潰して、専用アプリだけ映せる仕様としています。
×居住性:サンバイザーが天井にめり込んでいて、天井とツライチのようになっています。そのため、手をひっかけるくぼみがあるのですが、私は右手で開けたいのに、くぼみは左側。また、MH21S型と比べて、ルームミラーと頭の距離が近くなりました。MH21S位の距離のほうが視線移動しやすいです。
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・その他自由意見 |
◇キザシで趣味に走るか、ワゴンRでコスパを得るか、と悩み、ワゴンRにしてしまいました。これでワゴンRを所有するのは3回目です。2世代目(MC21S
CVT)、3世代目(MH21S 4AT)、そして今回5世代目。まさか、またワゴンRを買うとは思ってもいなかった(笑)。それだけ優秀な車に成長した、という事だと思います。
◇ディーラーでワゴンR(NA)とスティングレー(ターボ)を借りて、それぞれ100km〜200km程度走って、スティングレーに決めました。決め手は力強い加速力もそうですが、なによりスティングレーの方が静寂性が高く、足も少し良い気がしたのです。走行性能だけでいえば、NA車も十分高速を走れるレベルにありました。とはいえ、全てが良くなったわけではありません。不満な点に書かせて頂いた通り、MH21Sの方が走りが良いと思います。MH34Sは、しっとりゆったり乗れる乗用車、MH21Sは、元気に気持ちよく走れるオモチャ、そんな感じです。
◇ディーラーに聞くと、幅広い年代(40代にも)に売れているそうです。個人的にはチャラい感じがするのですが、実は万人受けするスタイルなのかも知れませんね。
◇アイドルストップは、他方では「カックンブレーキにしないとエンジンが再始動してしまう」という意見がありますが、どうやら「時速○○km/h以下で減速中において、ブレーキの踏力が弱まらなければエンジン停止を続ける」という制御のようで、最初は強めに減速していても、途中から踏力を抜いてゆっくり減速していくと、エンジンを止めたままカックンすることなく停車できます。
◇全体の完成度として、同価格帯のコンパクトカーにやっと近づいた、というレベルです。それってスゴイ事で、設計上の法的規制がないコンパクトカーに対して、軽は厳しい規制があるのに、これほど完成度が高くなるとは、まさに芸術品です。
◇スティングレーは決して安くない軽自動車です。同価格帯のコンパクトカーの方が品質は良いと思います。しかしながら、品質とTCO(Total
Cost of Ownership)のバランスを考えると、私のユースケース(Use Case)では断然軽の方が優れており、再びワゴンRを選択するに至りました。因みに私のユースケースでは、TCOを月額換算にすると、キザシとワゴンRには3万円の差がありました。浮いた3万で旅行を楽しむ事にします。
◇MH21Sも良いクルマでした。道具として、オモチャとして活躍してくれました。そして何より12万キロをトラブル無しで元気に走ってくれました。今までありがとう!
◇現行型アルトエコにも試乗しましたが、副変速機のフィールが全く異なります。その存在を主張するアルトエコに対して、ワゴンRは全く存在を感じません。アイドルストップもフィーリングも、アルトエコとワゴンRとは全く異なりますし、試乗車と納車されたスティングレーでも若干異なる気がします。気がする程度ですが、勿論納車された方が好ましい印象です。車種によりチューニングが異なるのか、短期間でも熟成が進んでいるのか、理由は分かりませんが、機構の名前だけ一緒で、印象はまったく違うので、試乗の際は必ずお目当ての車種で体感される事をお勧めします。
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