●「クルマを捨てて歩く!」
名古屋では、通勤も買い物も日常生活の足はクルマであった。必然的に運動不足となる。そのため自宅近くのスポーツクラブに通うこととした。週末中心に月6、7回、休み休みではあるが毎回1キロほど泳いだ。25メートルのコースを一人で何も考えずひたすら往復するのは、ストレス解消にもなった。
クラブへは歩いても10分足らずの距離であったが、5年近く通ったうち歩いて行ったのは一度もない。
神奈川にきて、クルマを使う機会がめっきり少なくなった。最初は大船から横浜のオフィスに電車通勤した。現在はSOHOそのものを実践しているため通勤自体がない。出歩く機会も減り、運動不足は名古屋時代より深化した。が、スポーツクラブへ通うだけの時間的余裕がない。(>_<)
クルマは週2回ほど買い物に使う程度である。
さて、いつものように本屋であれこれ見回っているうち、新書コーナーからクルマの文字が飛び込んできた。
『クルマを捨てて歩く!』杉田 聡著(講談社+α新書 780円税別)
私がクルマに乗らないのは、やせがまんからではありません。なによりそうすることが楽しいから、クルマなしの生活がとても快適だから、そうしているのです。
クルマは時間泥棒で、不経済、不健康。クルマを捨てると、時間が増え、お金が増え、体力がつき、人間関係がよくなり、環境もよくなる…。クルマを捨てることで人間らしい生き方が始まる。
著者は帯広畜産大の教授(哲学)。「クルマ社会を問い直す会」の世話人でもある。
公共交通機関も少なく、近所の自動販売機までタバコを買いに行くのにもクルマを使うのが常識という広大な北海道に住んでいながら、家族(夫婦と子ども3人)ともども実践している自らのクルマなしの日常生活を紹介し、歩くことのメリットやクルマ社会の問題点を論じている。
事故、渋滞、排ガス、郊外型スーパーマーケットの進出で廃れた地域商店街…、クルマ社会がもたらす負の側面や「過剰なモータリゼーション」に警鐘を鳴らし、問い掛ける。 なぜ人はクルマに乗るのだろう?、なぜ移動の手段としてクルマを使うのだろう?。便利だから?快適だから?楽しいから?。
それとも本当は皆が乗るから、何となく乗ってるだけじゃないの。クルマのない生活なんて無理と思い込んでいるだけじゃないの…、と。
クルマを捨てようと思ったことはついぞないし、もちろんこれからも使い続けるつもりである。一方で、最近「歩く」ことの楽しさや大切さも頓に実感しつつある。
皆さんは、なぜクルマに乗っていますか?
(01/09/20 わたなべあさお)
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