●「ロードサービス戦線異状あり」
日経ビジネス3月12日号に、「ロードサービス戦線異状あり〜新規参入組がJAFに宣戦布告、安さとサービスで独占崩す」と題したリポートが掲載された。
長年、日本自動車連盟(JAF)が独占し続けてきた救援ロードサービス事業に風穴が開いた。規制緩和をきっかけに、サービス提供に踏み切る民間企業が出始めたのだ。
1996年6月に設立された日本ロードサービス(JRS)はその代表格。単純に提供するメニューを見る限りでは、JAFを上回るサービスを提供している(下表参照)。しかも、年会費はJAFの半額で、入会金も無料である。既に会員数は350万人を超えた。
一方、1604万人もの会員を持つJAFは、安全性と信頼性を前面に出しながら、救援時間の一層の短縮で、新興勢力を迎え撃つ構えだ。
果たして、新規参入組は会員を急増させるのか。それともJAFの独占が続くのか。戦国時代に入ったロードサービス事情の最新動向を追った。
<JRSとJAFの主なサービス内容比較>
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JRS
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JAF
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会費
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入会金:無料
年会費:2000円
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入会金:2000円
年会費:4000円
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対象車両
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普通車・2輪・キャンピングカーなど会員の全ての車両に対応
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車両重量3トン以下の4輪車のみ対応
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移送範囲
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全国
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県境を越えての移送は原則不可
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サービス拠点数
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全国約6000
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全国約2000
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対応車両
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約6800台
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約1100台
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受け付け
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24時間、年中無休
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24時間、年中無休
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レッカー
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10kmまで無料、
移送範囲無制限
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5kmまで無料、
移送範囲20km未満
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現場応急処理
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作業時間30分以内無料
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作業時間30分以内またはJAF規定工数0.5まで無料
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付帯サービス
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レンタカー・サービス
(6時間まで無料)
代替交通手段手配
宿泊補助(1泊15,000円まで)
帰宅費用補助(20,000円まで)
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なし
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カーライフ
サポート
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会員誌発行、ホテル・旅館割引、ゴルフ場優待など
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会員誌発行、遊園地・ホテルなど提携施設、引越し、レンタカー、旅行などの優待・割引多数
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昨年4月、当よもやま話に「JAFの出動理由は“うっかり”だが…」と題し、平成11年度のロードサービス約300万件の出動理由を取り上げた。
トップは「キー閉じ込み」、2位は「バッテリー上がり」。両者で全体の半分以上を占め、「事故」「タイヤのパンク、バースト、エア圧不足」「落輪・落込」と続く。会員が救援を依頼する回数は平均で6年に1回という。
私もマイカー初心者の頃、JAFにお世話になった。キー閉じ込みで1回、バッテリー上がりで2回。以後10年近くロードサービスも、優待サービスも利用したことは全くない。
にもかかわらず、毎年4000円の年会費を保険料の一つと思い加入し続けてきた。JAFにとっては極めて優良なユーザーの一人であったわけで、その幾分かは運輸省や警察庁出身の天下り役人達の懐を潤してきたに違いないのである。
無自覚を恥じ、御目出度さに呆れ、いい加減目を覚まさねばなるまい。
なお、JRSのほか、中古車オークション大手オークネットや、整備・修理工場ネットワーク「カーコンビニ倶楽部」を主宰する翼システムも、ロードサービス事業を展開している。
・JAFロードサービス
・C-Life CLUB(JRS)
・オートバンクロードサービス(オークネット)
・カーレスキュー70(カーコンビニ倶楽部)
(01/03/22 わたなべあさお)
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