●「女性に強いトヨタ、男性は?」
トヨタの異業種合同プロジェクトによる新ブランド「WiLL」の第2弾モデルがロサンゼルス・オートショーに出品された。今春にも国内で発売される。
昨年1月、ヤング女性をターゲットに、かぼちゃのようなユニークなデザインの「WiLL Vi」が発売された。「ヴィッツ」をベースに、“リラックス”をイメージして開発された「Vi」は、発売当初の勢いは衰えたものの、季節ごとに新色を投入するなど、そこそこの販売を維持している。
今回のターゲットは男性、テーマは“クール”。「カローラ」をベースに、戦闘機ステルスを思わせるシャープでスタイリッシュなデザインと、セリカGT-Sに登載されている1.8リットルの高性能エンジンが特徴。
第2回「クルマ何でもアンケート」の、“好きなメーカーは?”、“嫌いなメーカーは?”という質問項目の集計結果を、男女別、年代別に分析してみたのが下表である。 ( )は選択した人の構成比:%
<好きなメーカーは?>
|
<嫌いなメーカーは?>
|
男性
|
女性
|
男性
|
女性
|
1 |
トヨタ |
(39.9%)
|
トヨタ |
(40.4%)
|
三菱 |
(20.2%)
|
三菱 |
(18.0%)
|
2 |
ホンダ |
(20.5)
|
ホンダ |
(15.6)
|
日産 |
(14.1)
|
いすゞ |
(11.9)
|
3 |
日産 |
(12.2)
|
日産 |
(11.6)
|
トヨタ |
(10.4)
|
マツダ |
( 9.9)
|
4 |
スバル |
( 5.7)
|
三菱 |
( 3.8)
|
マツダ |
(10.0)
|
日産 |
( 8.7)
|
5 |
三菱 |
( 3.6)
|
ベンツ |
( 3.4)
|
ホンダ |
( 6.6)
|
ダイハツ |
( 8.3)
|
6 |
マツダ |
( 3.0)
|
マツダ |
( 3.3)
|
いすゞ |
( 6.0)
|
スバル |
( 6.6)
|
7 |
BMW
|
( 2.7)
|
VW |
( 3.1)
|
ダイハツ |
( 5.1)
|
スズキ |
( 5.5)
|
8 |
ベンツ |
( 2.2)
|
スバル |
( 3.1)
|
GM |
( 3.9)
|
トヨタ |
( 5.4)
|
9 |
ジャガー |
( 1.1)
|
BMW |
( 2.5)
|
スズキ |
( 3.8)
|
ホンダ |
( 4.6)
|
10 |
VW |
( 1.0)
|
ジャガー |
( 1.6)
|
スズキ |
( 3.7)
|
GM |
( 2.0)
|
<好きなメーカーは?>
|
<嫌いなメーカーは?>
|
30歳未満
|
30歳以上
|
30歳未満
|
30歳以上
|
1 |
トヨタ |
(37.6%)
|
トヨタ |
(42.0%)
|
三菱 |
(20.2%)
|
三菱 |
(18.8%)
|
2 |
ホンダ |
(18.7)
|
ホンダ |
(18.7)
|
いすゞ |
(11.3)
|
日産 |
(13.2)
|
3 |
日産 |
(12.2)
|
日産
|
(11.1)
|
日産 |
(11.1)
|
マツダ |
(12.2)
|
4 |
スバル |
( 4.9)
|
スバル |
( 4.4)
|
トヨタ |
( 8.2)
|
トヨタ
|
( 8.8)
|
5 |
三菱 |
( 4.1)
|
三菱
|
( 3.4)
|
ダイハツ
|
( 7.2)
|
いすゞ |
( 5.8)
|
6 |
マツダ |
( 3.9)
|
ベンツ |
( 3.2)
|
マツダ |
( 7.0)
|
ホンダ |
( 5.7)
|
7 |
VW
|
( 2.5)
|
BMW |
( 2.9)
|
ホンダ |
( 6.2)
|
ダイハツ |
( 5.7)
|
8 |
BMW |
( 2.2)
|
マツダ |
( 2.5)
|
スズキ |
( 5.1)
|
スバル |
( 5.1)
|
9 |
ベンツ |
( 2.1)
|
ボルボ |
( 1.3)
|
スバル |
( 4.4)
|
GM |
( 4.0)
|
10 |
プジョー
|
( 1.6)
|
ジャガー |
( 1.3)
|
ベンツ |
( 2.7)
|
スズキ |
( 4.0)
|
男女別、年代別とも販売シェア同様、トヨタの一人勝ち。「ヴィッツ」や「Vi」効果もあってか、嫌いなメーカーにトヨタをあげた女性は5%。年代別には、やはり若者より中高年層の支持が高い。
嫌いなメーカートップの三菱は、クレーム隠しの影響に他ならない。
ホンダやスバルは、総じて男性の方が女性より好印象をもたれ、トラック主体のいすゞや軽主体のダイハツ、スズキの好感度は低い。
日産は好悪が相半ばし、三菱、マツダの好感度は、ベンツ、BMWなど輸入車メーカーとほぼ横並び。
かつて“保守的で野暮ったい”企業と見られ、“若者に弱い”と言われたトヨタ。創業家からバトンタッチした奥田体制は“変革とスピード”を掲げ、このイメージの払拭に取り組んだ。
その一つが奥田氏の肝いりで発足した新組織「VVC(ヴァーチャル・ベンチャー・カンパニー)」、ここが「WiLL」を主導した。
日産、マツダ、三菱、ライバル達が次々と外資の軍門に下る中、今まさに我が世の春を謳歌しているトヨタ。
柳の下に何とかというが、さてさて今度の「WiLL」はどうなるだろう?。
トヨタの一人勝ちが、敵失によってもたらされたものか、真の実力で勝ち取ったものかを占う試金石のような気がする…。
(2001/1/24 わたなべあさお)
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