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●「クルマが無料で手に入る!? 」

 クルマがタダで手に入るって、“懸賞”のことじゃありません。
 無料メール、無料掲示板、無料パソコンに無料プロバイダー…、ネット業界は“無料”サービスが花盛りです。電話をかける都度30秒程の広告を聞けば、通話料が無料となるなどのサービスも登場しました。
 端末のタダ配りが無ければ、携帯電話はこれほど急激には普及しなかったでしょう。

 クルマ業界にも“無料”サービスが登場しました。フリーカー・ジャパンが提供する「フリーカーサービス」。オートバイテルやカーポイントなど見積り仲介サービスと同様、案の定米国生まれです。
 トラックや商用車のボディには、企業やブランド名などが描かれ、業務に使われるばかりでなく、“動く広告”としての役割も果たしています。バスや電車、飛行機のボディに描かれた広告を皆さんも見たことがあるでしょう。

 これら動く広告のマイカー版がフリーカーです。企業(商品)広告でラッピングしたクルマを、毎日の通勤や通学の足として使えば、そのクルマを無料で提供、ユーザーはガソリン代や保険代を負担する。
 但し、誰もがフリーカーを入手できるのではありません。事前に登録したユーザーの属性データを詳細に分析し、広告主が相応しいと判断したユーザーにのみ、フリーカーが提供されます。

 事業見通しや米国の現状、日本での展開等について、日経ネットブレインのインタビュー記事によれば、100台のフリーカーを走らせることができれば事業となり、そのためには10万人の登録ユーザーが必要。米国ではすでに登録ユーザー数は20万人を超え、優良な広告主もつきこれからサービスを拡大していく予定。日本でもすでに都内をデモカーが走っている。来年末までに30万人の登録者を集め、300台のフリーカーを走らせたい、と。  

 様々な“無料”ビジネスですが、思惑どおり成功した例はありません。多くは、無料サービスでユーザーを大量に囲い込み、そのユーザー層に対する広告やマーケティング費用で収益をあげるという、広告依存型のビジネスモデルです。
 しかし、“賢い”消費者を騙し続けることは結局不可能です。1年も持たずして撤退を余儀なくされるケースが続出しています。

 昔から言われてきました。「タダより高いものは無い」と。フリーカーの1年後はどうなっているでしょう。

               (00/10/24 わたなべあさお)

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