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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:技術の日産

 
 技術の日産。やっぱりそういうふうに望まれているんだ。

 いま売りの「NAVI」巻頭、編集長のコラム。一時期、それらしい技術の見られなかった日産だけど、今度の新しいスカイライン、そして先日発表された2010年までに実現する新技術プログラムの発表を受け、ようやく「技術の日産」が帰って来そうだという話なんである。

 自動車メーカーとして技術の進歩は歓迎されるにしても、ただ「これまでデザインばかりだったのはどうよ?」という論調には少し違和感がある。

 なぜって、日産が会社の存亡に関わる事態に陥ったのは、技術至上主義で商品性を無視した自己満足の商売をしてきたのが一因だったわけでしょう? 四角四面の棺おけみたいなボディとか、絶壁のような醜いインパネとか、「発表と同時に旧くなった」、「乗ればいいのに」なんてセリフが何度使われたことか。


 
 そりゃあトヨタのようにあからさまな販売至上主義もアレだけど、でも垢抜けない日産に対して「トヨタは上手いなあ」と散々言われてきたのも事実じゃないか。その日産が商品性、とりわけデザインに注視して、その大幅な質の向上に取り組んだことに、僕は大いに賛同しているんである。だいたい、会社がなくなりそうな時期に基礎研究や先行開発に遅れがあったのは仕方がないでしょう。

 技術とデザインのどちらかに大きく傾くのは決して望ましくはない。だから「技術の日産」を持ち出して、これこそ日産と言ってしまうのはどうかと思う。いま日産はそのバランスを取ろうとしているのであって、少なくとも先祖帰りを目指しているワケじゃないでしょう?

(07/01/13 すぎもとたかよし)

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