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まあ、話としては特別珍しいわけじゃないけれど、雑誌が堂々と書くのもいかがなものかと思うことがある。いま売りの中古車雑誌「カーセンサー」にある、投機的Uカー選びっていう特集のことである。
個人的に「あ〜あ」なのは、下取りに有利なボディカラー選び。日本はずっと前から白だの黒だのという無彩色ばっかり売れるんだけど、ここでもそういう人気色、とりわけいまはシルバーが人気として、これを選んでおけば間違いなしと推薦しているんである。
たしかにクルマはたとえ中古車と言っても高価な買い物だから、値落ちを心配するのも分かる。だから、僕はそういう意識で購入することを否定するつもりはサラサラない。実際、僕の周囲にもそういう考え方の人は結構いるしね。ただ、それを自動車雑誌が書くのはどうかと思うんである。
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だって、クルマを趣味や自己表現としてじゃなく、単に金銭の取引物として考えることを専門誌が薦めるなんてほとんど自殺行為でしょ。しかも”投機的”なんてタイトルなど神経を疑うよね。本来なら、放っておいても無趣味になりがちなクルマ選びを、いかに面白いクルマ選びにするかアドバイスするのが役目なんじゃないの?
ま、編集の人が全員そういう考えだとは思えないけど、勢いそういう安易な特集を企画してしまうのが実に貧しい発想だし、悲しいところなんである。
(06/11/10 すぎもとたかよし)
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