|
提灯記事というか、まあ、ほとんどの雑誌は新車インプレッションで扱うクルマを持ち上げるのが普通なんだけど、それによって実に面白いことになったりする。いま売りの「ベストカー」に載っているマツダ・ロードスターRHTがそれ。
ロードスターは有名な貴島さんというチーフが1g単位の軽量化に挑んで完成させたクルマとして有名なんだけど、RHTにあたっては何と37kgもの重量増になってしまったとか。そりゃあもう大変な変更なわけだけど、しかし雑誌としてここで否定はできない。で、どうなったかというと、素のロードスターとRHTを交互に乗り比べたところ、何と「違いはまったく感じられなかった」という結論なんである。
いやあ、面白い。1gの話をしていたのに37kg増、つまり37,000倍でしょう? それが乗って分からないっていうんだからスゴイ話じゃないか。せめて重量増したなりにバランスがとれている、くらいのことにしておけばいいのに。だったら最初から軽量化の意味なんてないって話でしょ。
|
|
あれもこれも肯定しなくちゃイケナイから仕方がないって思っているのか、これがとんでもなく滑稽な話だということすら感じなくなっているのか? どっちにしてもデタラメを通り越して、もはや笑うしかないんである。
ちなみに、同じ号の新しいekワゴンでは、スライドドア採用で左側だけ20kg増になってしまったものの、荷物を載せればすぐに20kgくらいにはなってしまうから問題ないだろうという開発者の話が載っていた。いやあ面白いというか、深い話である。
(06/10/02 すぎもとたかよし)
「日本の自動車評論を斬る! すぎもとたかよしのブログ」へ
|