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イタリアGPでM・シューマッハが引退宣言をした。
以前からのF1ファンは、近年のドライバーは小粒で面白くないと言う。たしかにピケやマンセル、プロストの頃までは人物的な魅力というか、明確なキャラクターがあったと思う。セナはちょっと傾向が違うけれど、やっぱり人間的な魅力があった。
シューマッハはデビュー直後から”サイボーグ”などと呼ばれ、人間味のなさが先のようなドライバーと対照的とされた。感情移入のできないドライバーの登場である。
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が、いまの彼は”皇帝”というニックネームが与えられ、しっかりF1の真ん中にいる。スゴイのは、彼の場合は実力、つまり圧倒的な成績を得ることによってスター性をも得た点である。もちろん、記者会見での涙など、最近の言動も手伝ってはいるけれど、とにかく強さが全てを引き寄せたと僕は思う。そして、彼がアロンソやライコネンと決定的に異なるのは、短期間ながらセナという従来のスターと共に競った経験の存在だ。彼はその時代の空気を吸っている。
だから、来年度以降のF1は当面の間、本当に小粒ドライバーの時代が続くかもしれない。もちろん、スターであるシューマッハと競ったアロンソが次世代のシューマッハになる可能性はあるけれど、それにはまだ時間がかかるだろうし。
さて、来年からのF1、どこに焦点を当てて観ればいいのだろう?
(06/09/13 すぎもとたかよし)
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