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コラム&レビュー

クルマのまわりで:BMW複合施設に出掛ける

 
 話題の、お台場「BMW TOKYO BAY」に行ってきました。


 MINIとの両ブランドの全車種を展示とあって、なるほど広大なショールームです。試乗車もほぼ全車用意とかで、駐車場もまたまた広い。

 より車種の多いBMW車の展示は、意外や直線2列にズラッと置かれています。トヨタのMEGA WEBを始め、ある程度の大きさのショールームでは、縦・横・ナナメに「散らす」のが一般的ですから、なかなか印象的な配置です。スペースの都合なのか、ある種の見易さのためなのか?


 展示車の近くで待機している方々は営業じゃなく、車両説明員であるのも特徴でしょうか。やたら購入を迫られることがないし、詳しい情報を得ることもできます。実際、お客さんとかなりマニアックな話で盛り上がっている風景も見かけました。

 キドニーグリルで統一されたBMWブランドですが、こうしてイッキ見するとそのイメージはより強く感じられます。個人的には、最近のBMWデザインにはモデルごとの特徴が薄いうえ、共通してキレがないと感じているのですが、それが明快になってきます。

 特等席に置かれたiシリーズが、その辺の鬱憤を一気に晴らしているようにも感じますが、それはちょっと皮肉になるでしょうか?

 一方、同様に多くのグレードが並べられたMINIのスペースは、狭いながらも賑やかで楽しげな雰囲気でまとまっていました。



 
 極論すれば全部「同じ」とも言えるわけですけど、基本モデルのまとまりがそれなりなので、バリエーションだけでも面白くなると。まあ、個人的に特段ミニに強く惹かれているわけじゃないんですが。

 そのMINIスペースでは「是非試乗を」と声を掛けていただき、じゃあということで、クーパー・5ドアのディーゼルに乗ってみました。1.5リッター、3気筒のやつですね。

 例によって、最新のクルマであれば軽でもその快適性に感心するような体たらくなので、300万円のBMW製FF最新車に不満は皆無です。もちろん、評論家諸氏が「洗練度はいまひとつ」とする3気筒クリーンディーゼルにも、です。

 よかったのは、お台場というロケーションの優位性なのか、試乗コースが街中にしてはそこそこ長く取られていたことですね。試乗車の数が多く、時間的な余裕もあるんでしょうけど。

 クルマを見たあとは、ネスプレッソのカフェでゆっくりカタログを眺めたりすることもできます。あまり席数が多くないので週末などは混んでしまうかもしれませんが、有料であってもこういうスペースはいいと思います。

 トヨタのMEGA WEBは別格ですが、日産やスバルの本社ショールームやマツダの新世代店舗、あるいは六本木のフェラーリ・ディーラーなど、各メーカー、インポーターは販売拡大のためにそれぞれ工夫した大規模店舗を展開しています。

 もちろん、各々相応の成果を上げているのでしょうけど、そうして多くのモデルが揃うとなると、各モデルの特徴の有無が浮かび上がってくるのが面白いところです。つまり、全車種イッキ見できて大満足、という単純なことではなく、揃っているわりには「何だか退屈だな」なんてこともあると。

 要は各モデルにどれだけの魅力があるかという、実に当たり前の話に立ち戻るわけです。その点と大規模スペースの魅力の融合こそ、目指すべき次世代ショールームになるのかもしれません。

(16/08/16 すぎもとたかよし)

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