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先週の土曜日、都内人形町までトークショーに出掛けてきました。
ジャーナリストの沢村慎太朗氏と森慶太氏が主催する自動車メディア「モータージャーナル」が開催する月例のトークライブ。有料メールマガジン登録者限定のイベントですが、興味があって先日登録したばかりで。
緻密な取材による明晰な記事の沢村氏、クズした文体ながらも深い分析が光る森氏。この両者によるトークライブは、さぞやカッチリと隙のない濃厚なものかと思いきや、特段テーマを設けることもない成り行きトークでした。
冒頭はイグニスに始まり、レクサス、NSX、アウディといったクルマ絡みはもちろん、いま沢村氏が取材を進めているドイツ文化や、あるいは両氏のプライベートな日常まで思いつくままのまったりトーク。
以前のリポートを見ると、プロジェクターの映像を見ながら・・・なんて写真もあったので、おそらく当初はそれなりに仕込み系の内容だったようですが、数年経ってスタイルも変わってきたのでしょうか?
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「モータージャーナル」は万人に無難な記事を届けるよりも、少数のユーザーに質の高い評論を提示するという新提案のメディア。実際、週に1回配信されるメルマガは、他では読むことのできない情報が詰まっています。
トークライブは、その新メディアのもう1本の柱。なのでこの成り行きな進行は意外でした。もちろん、幅広い話題自体は悪くありません。あまりに個人的な自動車趣味を延々と語られるよりずっといいですし。
ただ、成り行きと怠惰は紙一重です。いくら素晴らしい才能を持っていても、会の運営にもし手抜きがあるとしたら、それは入場料を支払う参加者に対しての裏切りになってしまう。それどころか、満足を得られないという点で、結局巷の提灯記事と同じ穴の・・・なんてことすら言えるかも。
そう考えると、自動車メディアというのは本当に難しいですね。というか、高い志を維持し、なおかつ発展させるとなると、結構な自己制御はもちろん、プロデューサー的に要となる人物が必要だったりするのかもしれません。
だって、やり方次第でこのトークライブが自動車メディア界の台風の目になる可能性もあるわけですから。いや、両氏はそんなもの望んでないと言うかもしれませんけど。
(16/03/21 すぎもとたかよし)
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