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今日、会社の代休をとってスズキ・イグニスの発表会に行ってきました。
すでに東京モーターショーやオートサロンでお披露目されていたイグニスですが、まあやっぱりデザインのまとまりがいい。
今回も和田智氏の名前はどこにも出て来ませんけれど、グッドプロポーションやサイドグラフィックなど、アルトとの共通性を見れば、まあきっとそうなんだろうなと。
造形テーマを筆頭に、やたらと「シンプル」というフレーズが出て来るのも氏の主張と重なるところです。実際、ボディは言葉とおり妙なラインのないシンプルな面で構成されていて、凝縮感もしっかりあります。
今回は、かつてのセルボやフロンテクーペ、あるいはエスクードなど自社各車からモチーフを持って来たことを自らアピールしています。しかも、どの部分がどのクルマからということまで示したのはとても珍しいところ。
過去の名車からモチーフをなんていうと、たいていは全体の中で消化し切れず失敗に終わる例が多いのですが、ここまで具体的にアピールするのは、その点でかなり自信がある証拠でしょう。
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高い位置においたガラスや斜めに切ったランプなど、リアパネルも含めたまとまりのよさは、よき時代のイタリア車を思わせ、何て言うか、あらためて「クルマ」「自動車」としての本質的な存在感を認識させられます。
とくに最近は小手先に走った稚拙な表現があちらこちらで目立ちますから、こういうストレートで直球勝負のデザインは注目に値します。
インテリアもテーマが明快で一定の質感を持っていますし、アルトはいいけどあまりにチープで・・・なんて思っていた方も許容できるかもしれません。
一方、マイルドハイブリッドと称する進化版のエネチャージは、一定のトルク性能を求める自分としては物足りなく、間もなくソリオに追加されるというストロングハイブリッドを最初から設定するべきだったと思います。
また、欧州で展開する以上、CVTだけということはないでしょうし、スイフトのようなグレード展開を期待したいですね。もちろん、東京ショーのときのような特別仕様でも面白いですが。
スズキは少し前のスプラッシュやSXー4など、面白い小型車を作りながら、後の手当がなくフェードアウトという例が少なくないので、付加価値を持たせた成長を心掛けて欲しいところです。
それにしても、今回は現行スイフトのAピラーもモチーフにしたということですから、逆に来年登場と言われている次期型にも期待ですね。
(16/01/21 すぎもとたかよし)
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