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何だかこう、実がないなあと思うんである。
前回東京ショーのIDxに続き、サプライズでの登場となったIDSは、とくにニュースメディアでの注目度が高く、それなりに話題みたいだ。
けれども、自動車メディアでの扱いがあまり大きくないのは、自動運転という技術が実用化にはまだ遠く、それをテーマにしたコンセプトカーはちょっとどうなのかな?という肌感覚があるからかと。
クサビ型のシャープなボディはなるほどスマートだけど、じゃあこれがEVや自動運転を何か具現化したものかというと、とくにそういう必然性も感じられない。自動運転と徹底した空力性能って直接リンクしないし。
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それでも、実際にはゴーンさんが報道番組に出演して自動運転の素晴らしさを朗々と説き、その背景にこのクルマが輝いているという格好だ。その落差に結構な空疎感を抱いてしまう。
ただ、Vモーショングリルに加えてフローティングルーフなど、よく見れば最新の日産デザインの文法に沿った造形になっている。だったら、自動運転などと言ってないで、「こいつを日産のHV専用車にして年内に販売します」くらいの提案がちょうどよかったんじゃないか。
折しもプリウスがおかしな恰好になったようだし、直球デザインのIDSをひと回りほど小さくして、真っ向ライバルに仕立てた方が日産ラインナップとしても面白いかと。
少なくともIDxと同様、単なる打ち上げ花火にするくらいだったらね。
(15/11/05 すぎもとたかよし)
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