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コラム&レビュー

■自動車雑誌を斬る!そのN「普通じゃダメ?

 2月10日発売の「ベストカー」にあったスバル特集の記事だ。
 現行車種へのコメントコーナーで、インプレッサの1.5Lについて、ある有名な評論家K氏がこんなことを書いている。
 「WRXと同じスタイルをしているのが○」
 「こいつをSti風にしたら面白い。買うならスバルブルーをどうぞ」
 うーん、それはどうなの?というか、やっぱり違うでしょう、それは。

本来の姿
 インプレッサは、たとえばカローラとプレミオの間というような絶妙なニッチを狙って投入されたクルマで、だから1.5Lが最初から設定されていたんである。初代登場当初からのウリは何と言っても個性的なスポーツワゴンだったわけだけど、このスポーツとは高出力車というよりもスタイリッシュなボディを示してのスポーツで、まさにこのワゴンは従来にない身軽さを備えた逸品だったのである。
 ラリー参戦の市販版としてWRXが設定され、それがStiに進化し、さらにランエボとの対決構図に持ち込まれるわけだけど、どちらかと言えばこちらの方が特異な存在なのであって、あくまでもイメージリーダーに過ぎないのである。
 そんなことはスバルが一番よく知っているわけで、最近になってさらに1.5Lシリーズの充実を図ってきたのはそのためだろう。280馬力を吸収する高いボディ性能に小さなエンジンを積んだこの1.5Lは、実際に乗っても実によくできていて気持ちがいい。もちろん、所詮Stiだけでは台数がさばけないという理由もあるだろうけど、インプレッサの神髄はあくまで1.5Lにあるということなのではないか。


走り屋集団
 評論家やジャーナリストと称する人たちにいわゆる「走り屋」が多いのは知っている。インプレッション記事に「限界」だの「ムチを入れた」といった単語は必須だし、発表会の試乗で勢い余ってひっくり返ったなんて話も聞くくらいだ。
 ただ、そういう「走り屋」指向ををどこにでも持ち込むのはいただけない。同時に、とにかくエアロパーツ命みたいな子供っぽい「モディファイ」指向もまた同じだ。たとえば、インテグラ・シビック=タイプR、スカイライン=GT-Rだの、低扁平率タイヤ=高性能タイヤなどといった評論家お約束の固定概念が、これまでいかに素性の良いクルマを台無にし、日本車の真っ当な成長を妨げてきたことか。頭が固いのか、見る目がないのか、まあどちらにしても視野の狭さは尋常じゃない。

 メディアで発言を行う人間は、ある意味メーカーよりも先を見た仕事をするべきだと僕は思うけれど、メーカー自身が軌道修正をしている側からこんなバカげた発言をするなんて、一体どこを見て仕事をしているのだろうか。

(05/02/24 すぎもとたかよし)

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