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コラム&レビュー

クルマのまわりで:東京モーターショーはどこへ

 
 お台場での東京モーターショーが開幕、取材に行ってきた。

 ドイツやフランス勢が戻ってきた今回は、もちろん子どものお絵描きコーナーで場所を埋めた前回よりは賑やかだったけれど、しかし国際ショーとしてはやっぱり厳しいというのが実感だ。

 ご存知の方も多いかと思うけれど、東京ビッグサイトは長い通路によって東西のホールに分かれていて、西ホールはかなり狭い。僕はサラリーマンの仕事でよく通っているけれど、あまり大きくないイベントは、だから東西いずれかで分けて行われる場合が多い。

 ところが、恐らく入場者の偏りをなくすためか、東西で主要メーカーを分けて配置してしまったため、それぞれが中途半端で小粒感を助長してしまった。しかも、分散させて空いてしまった空間を、多くのボディメーカーや部品メーカーが占めているので、モーターショーというよりも、そうしたメーカーによる一般的な見本市に見えてしまい、さらに国際ショーからイメージが遠ざかる。

 そして肝心の内容は、たしかスカスカの前回、主催の自工会などは、日本ならではの先進技術・環境技術を「東京ショー」の特徴にするんだ、なんてことを言っていた記憶があるんだけど、特段そうした統一感もないんである。

 もちろん、各メーカーともEVやPHVを打ち出してはいるけれど、それはいまや東京だけの話じゃないし、安くて低燃費な第3のエコカーっていうのもチョットね。仮に日本にしかできない技術を打ち出して行くなら、主催者による相応のコーディネートが必須の筈だけど、どうもそれがあったようには見えなかったと。

(*1)



 
 強いて言えば、巨大トヨタの社長によるプレス・カンファレンスで流れる映像が、正式名となった「86」を中心に作られていたことが「東京らしい」ローカルな感じを醸し出していたかも。ま、外国プレスの苦笑というか、失笑も含めて・・・。

 あと、プレス向けにランチサービスがあるんだけど、ランチボックスを配付はするものの、何と食事スペースが用意されていないというのも驚きだったかな。若い報道関係者が廊下にベタ座りで昼食をとる姿は、やっぱり国際ショーとはかけ離れていたかなあ。

(*2)

 まあそれでも、今回取材した3台のコンセプトカー以外では、アウディA1の5ドア版(*1)は個人的に興味深かったし、メルセデスのAクラス・コンセプト(*2)の過剰演出ぶりも面白かった。それと、すっかりハチロクの陰に隠れていたアクア(*3)も、ヴィッツなんかよりはしっかり作ってあるように見えたかな。

(*3)

 さて、今後東京ショーはどこに向かって行くんだろうか?

(11/11/30 すぎもとたかよし)

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