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ここで何度か書いたことがある「リフレッシュカー」という提案。ホンダ・ビート、20周年記念アクセサリーの販売は、結構それに近い発想で、素直に感心してしまった。
リフレッシュカーというのは、実用性が現実的な80年代くらいまでの旧車を、メーカーの手によって「新車同様」にリフレッシュし、相応の価格の中古車として販売してはどうか、というもの。
初代プリメーラやR32スカイライン、80〜90系カローラや初代MR2、ワンダーシビックや同期のプレリュード、ピアッツァに一部のユーノスなど。いまでも人気の高い旧車がメーカーの技術で新車同様に蘇れば、仮に新車価格に近い金額でも一定数は売れるんじゃないかと。
今回のビートは数点のアクセサリーのみの販売だけど、希望の多かったモノというだけあって、代替えのきかない専用サイズのオーディオや、消耗度の高いフロアマットなど、実にツボを押さえた選択なんである。
それに、ホンダ・アクセスから販売というのも巧いところだ。メーカー自身という高いハードルもないし、子会社の商売としても新展開だし。もちろん、評判がよければさらなる展開へも動きやすいでしょう。
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リフレッシュカーについては、数年前にメーカーの中古車部へ取材もしたけれど、企画は面白いとしても、メーカーが動くのは難しいという予想とおりの回答だった。ベースになる車両の手配やら保証などを考えると、ということで。
ただ、これも以前書いたとおり、たとえばメルセデス・ベンツは自国と北米でこのリフレッシュカーをすでに始めている。人気のW124はもとより、さらに遡ったモデルまで展開しているんである。
それでもやっぱり国産車は難しいよな、ということなら、このビートのようなアクセサリー・パーツ販売は大いにアリかと。
どの車種のどのアクセサリーまで展開するかは考えどころだけど、ダンパーや窓枠、ステアリング、シート生地、フロアマット、エンブレムなど、ひとつのパターンを作ってしまえば商売としてやりやすいかもね。
車種については、ユーザーからの受注という方法もありかも。もちろん、数ヶ月単位の時間と、それ相応の価格設定が前提になるだろうけど。
ハチロクのようなスポーティカーに限定せず、ふつうのセダンやコンパクトカーまで対象を広げれば、つまり顧客の層を広く考えれば、もしかしたら国内のクルマ熱復活の一助になるかもしれない、なんて思ったりもするんである。
(11/11/07 すぎもとたかよし)
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