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コラム&レビュー

クルマのまわりで:フランクフルトショー雑感(ドイツ編)

 
 ドイツの個人的な目玉はVWのup!。ポロもいいけど、さらなる合理化が興味深くて。


 気を抜くと単なるマイクロバスみたいになっちゃいそうなところを、たとえば立体感のあるバンパーや、ランプと一体感を持たせた大きなリアガラスで大胆なアクセントをつけるあたりが巧いなと。

 インテリアも手抜きをせず、しかしポロとはまったく方向性を変え、カラーパネルを最大限活用したやり方はコンパクトカーとしての模範解答だ。これを見ると、日本の軽自動車がいかに硬直しているかがよくわかる。

 このクルマはVW内の低燃費車としての役割が大きいわけだけど、GTやクロスタイプ、バギーなど、現実かつ魅力的な展開で、単なる“ガマン車”、あるいは貧相な“経済車”にしないところも巧いと思う。

 up!は当初からイタルデザインが絡んでいたという話で、実際バリエーションの「Azzurra sailing team」がジウジアーロとの共作とされているけど、果たしてベースモデル自体は? 機会があれば聞いてみたいところかな。

 アウディの新しいA2も個人的な注目車。コンパクトカーとしてはA1のインパクトが大きかっただけに、この次は難しいなあと思っていたけど、いやいや巧いことまとめた。


 基本はA1の手法だとしても、今回はより明快なサイドラインがボディを引き締めているし(ショー用に誇張してはいるだろうけど)、偶然なのか、up!と同様の広いリアガラスが独自性と先進感を出している。え、これもイタル?なんて思わせるまとまりのよさだ。


 
 そのup!がそうだったように、このA2もほぼこのままのカッコで出てきてほしい。使い勝手のいい5ドアボディに、ポロの1.2TSIなんか載った日にゃあ、ずいぶんと悩ましいクルマになりそう。

 一方で、メルセデスベンツBクラスはどうにもいけない。サンドイッチ構造だったAクラスが、より単純にスタイリッシュハッチへと舵を切ったのと同じ考えだけど、特段新しい提案がないシルエットにまずガッカリだし、そこに描き込んだ2本のキャラクターラインは悪夢のようだ。


 いや、エモーショナルだどかスピード感だとか、表現の意図は想像できる。それに、見ようによっては下のラインがルーフと相似形で、ぐるりとボディを一周しているんじゃないかとも思えるんだけど、まあ「だから何だ」って話だ。

 メルセデスは現行EやCで、かつての質実剛健なイメージと現代的スタイリングの、とても巧い融合を実現したなあと思っていたんだけど、それは早合点だったのかな。

 Bクラス以上にエモーショナル路線まっしぐらなフォードのEVOSコンセプトは、今後の同社デザインの方向性を示しているそうだ。発展したキネティックデザインによる躍動感は、最近の欧州トレンドなのかもしれない。


 実際、このボディとたとえばマツダの魂動やインフィニティのエッセンスとの決定的な違いが僕には説明できない。あ、現代とかの韓国勢も同じ傾向だ。

 「EVOS、カッコいい!」という声は少なくないかもしれないけど、実のところこっち方向は勢い表面の小細工に走りがちで、独自性を出すのが却って難しいと思う。いや、その前に少々辟易気味と言ったほうが正直なところかな。

(11/09/19 すぎもとたかよし)

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