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コラム&レビュー

クルマのまわりで:ジュネーブショー散策(その4)

 
 マツダの提案は「SHINARI」に次ぐ「MINAGI」だそうで、何だか育毛剤みたいだけど、狙いはとても明快だ。


 ただ、そのSHINARIの時にも書いたけれど、ふたつの大きな動きがぶつかり合うダイナミックさは、現行デミオですでに表現されているので、個人的にあまり新鮮味はない。

 それでも、SHINARIに込められたさらなる流麗なラインは新しい提案だし、ファミリーフェイスの5角形グリルをそこに無理なく溶け込ませているのも巧いと思う。

 ダイナミックな曲線・面ということでは、最近の流行そのものとは言えるけれど、塊の動きというアプローチがオリジナリティに結びついているんじゃないかな。

 ハードに疎い僕には、シャシーもそうだというスカイアクティブの全容がいまいち理解できてないんだけど、エンジン・ミッションも含め、フル装備をコンパクトSUVとして欧州に持って来たのは、デザイン同様狙いがハッキリしていていいと思う。


 
 それに、高速走行に弱いと指摘されるハイブリッドじゃない、素の高効率システムが“あっち”でどう評価されるのかも興味深いし。

 ところで、このスカイアクティブもそうなんだけど、マツダって画期的な提案ってやつを結構定期的に打ち出すんである。

 ファミリア時代のドイツ流「高剛性」ボディ導入、実はいまでも上物中古物件を探しているユーノス500時代の「ときめき」のデザイン改革や高品質塗装、そして新エンジンを引っさげた一連のズーム・ズーム改革。

 比較的小さな自動車メーカーとしては、そういう継続的な新技術提案はスゴイところなんだけど、マツダの場合、どうもブランド構築に結びつかないというか、尻切れが目立つというか。いつも残念な感じなんである。

 それぞれは決してブラフなんかじゃないんだろうから、今回のスカイアクティブは、わりと堅調なズーム・ズーム改革と結びついて、たとえば欧州市場での従来以上のブランド確立に役立てばいいとは思う。

(11/03/09 すぎもとたかよし)

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