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コラム&レビュー

クルマのまわりで:フランクフルト心象風景(その2)

 
 正式には17日からだけど、フランクフルトショーの出展車両が続々と発表されているのでそろそろ。
 東京ショーの外国車ほぼ撤退が影響しているのか、何だかその分内容の濃さが際立っているように感じる今年のIAAだ。


 で、公開前なんだけど、気になった出展内容からまずはVW。今回は同社が少し前から展開している省燃費、低炭素のブルーモーション・シリーズで、一気に量産モデル3台っていうのがスゴイ。

 基本的にはいずれもコモンレール式ディーゼルエンジンにハイギアードMT、アイドリングストップ、そしてエネルギー回生装置を組み合わせたものらしい。さらにボディの空気抵抗低減、転がり抵抗の少ないタイヤ、軽量かつ空気抵抗が少ないホイールと芸が細かいんである。

 これで新型ポロなら、1.2エンジンで30.3km/L。45リットルの燃料タンク満タンで航続距離は何と1363km! 東京からだったら熊本あたりまでOKで、さらに最高速度は173km/h。恐らくディーゼルの特性を生かして高トルクも期待できるでしょ。つまりは、単なる省燃費スペシャルのノロノロカーじゃないと。


 
 そうやって、新しいエンジンと既存の技術を組み合わせて日本のハイブリッドに相当するような「結果」を出すところがスゴイなあと思う。いや、その技術そのものも素晴らしいんだけど、省燃費やCO2の削減に向けて、こうやって色々な手法、技術を展開して見せるところね。今後当面のクルマのあり方に対して、これだけの様々なやり方がある、答えはひとつじゃないんだよと。

 もちろん、これからハイブリッドも出すんだろうけど、それにしたってディーゼル・ハイブリッドという展開もあるだろうし、とにかくいまの日本の「ガソリン・ハイブリッド以外はクルマにあらず」といった実に気持ち悪い方向に持って行かないのが大人な感じで。さらに、これが量産モデルっていうからなおのことね。

 このポロについて言えば、デ・シルバの手が入った新型は、引き締まっている分ゴルフよりもエクステリアのまとまりがよく思えるので、個人的に結構魅力的なんである。

 小排気量+過給器では、日産が来年登場の新型マーチでやるとか。でも、こういう細かい技術を巧いことコントロールさせるのは日本の得意とするところだったような気もする。もちろんハイブリッドだってそうなんだけど、それにしてもこの偏った流れは異常だもんねー。

(09/09/07 すぎもとたかよし)

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