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もう、今週末から高速道路の1000円ポッキリが始まる。
もともと高すぎる料金が下がること自体はともかくとして、この施策に伴う諸問題について、ついにここまでほとんど自動車雑誌の誌面に出て来なかったのがとても残念なんである。
たとえば天下り。ETC助成制度の財源が天下り財団の保有資産、つまり税金であること、制度自体も相変わらず別の天下り財団に丸投げなこと。その財団の役員にはETC機器開発の電機メーカーと、カード会社の役員が名を連ねており、この特需の恩恵を自身でしっかり受けていることなどなど。
あと、意外に報道されないけれど、これはあくまで景気対策であって、2年間限定であること。ETC買わせておいて、じゃあ2年後には元の料金なの? という素朴な疑問。いや、そもそもなんでETC限定なのかとか。
与党は道路特定財源維持は環境対策だなんて言ってたけど、そことの整合性。民主党はさらに別の話で無料化案を出しているけど、景気対策とかじゃなくて、そもそも現行料金体系はどうなんだという言及。
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はたまた高速に慣れていないドライバーの追い越し車線占有など、大幅に増えることが確実の利用者啓蒙。SAのトイレ増設などインフラ整備。従来の週末でも渋滞する路線での“自然渋滞解消策”の提言。
天下りについては先日週刊誌で取り上げられたけど、なんで一般誌なのかと思う。この間、自動車雑誌での提言や言及はほとんどなかったし、取り上げても「1000円になったらどこに出掛けたい?」みたいなお気楽企画ばかり。インフラなどはそれぞれの立場の人たちが準備しているだろうけど、メディアで広く提言することも大きな意味があるでしょ。
もちろん、これから時間をかけて考えることもあると思うけど、いまこそ書くべきということも少なくない筈。臨時措置とはいえ、これまでに語る時間は十分あったわけだし。当然評論家諸氏だって色々考えているんだろうけど、なんでそれが表に出て来ないのか?
先日、あるラジオ番組のインタビューに答えていた評論家氏がいたけど、もっと能動的な活動としてということで。それは誌面に出すことができないのか、あるいは出す必要がないと考えているのか。どっちにしてもいかがなものかと思うんだけど。
(09/03/24 すぎもとたかよし)
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