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コラム&レビュー

クルマのまわりで:新旧プリウス併売

 

 雑誌に載っていたときは半分冗談かと思っていたら、ホントだって言うんで少なからずショックなんである。いや、新旧プリウスの併売の話。

 べつに話としては簡単だから理解はできる。それだけ今度のインサイトが脅威だってことなんだろうし。けれども、やっぱり納得ができるもんじゃない。

 まずはトップメーカーとしての品位。たとえば、ストリームにウィッシュをぶつけた時もかなりのひんしゅくを買ったけれど、あれは“まだ”新型車だったからね。今度はサクっと手持ちのコマでライバル潰しなんである。

 まあ、50万円も安くちゃマズイなあとは思うんだろうけど、でもそこはホンダの「頑張り」を認めてあげればいいじゃない。何たってトヨタはハイブリッドの先駆者であって、技術的にはずっと先を行ってるワケでしょ。そしたらこう、余裕を見せるくらいのことはできないのかな。ま、しばらくはいい思いしていてくださいよって。そこまでして徹底的に潰しに掛からなくちゃ気が済まない?


 
 それともうひとつ。「エコ替え」だの「安全ボディ」だのでいちばん騒いでるトヨタが、平気な顔して一世代前のクルマを売るってどういうことなんだろう。新しい方が燃費がよくて環境にいいから買い替えろっていうのが「エコ替え」だったんじゃないの? 日々進化する衝突性能がGOAで「安全」なワケわけでしょ。それを中古車ならともかく、新車で旧型車売るって一体どういう了見?

 期末決算が50数年ぶりの赤字転落。それで社長も大政奉還。世界一になったばかりのトヨタが焦るのも分かるけど、やっぱりトップメーカーとしてやっていいことと悪いことは厳然としてある筈でしょ。現行型でもインサイトより燃費がいいからって問題じゃないし。ましてキャッシュがないってわけでもないのに。

 もうここまでやるんなら、エコだの安全だのなんていうキレイごとはすっぱり捨てて、「やっぱり世の中カネですから」って言い切って欲しいな。新社長に。その方がスッキリするし。ああ、何だかんだでトヨタはそうやって一番になったんだねーって。

(09/01/19 すぎもとたかよし)

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