|
「ハツラツと行動するママの応援」
これはパッソセッテの開発コンセプト。いや、冗談じゃなくて。
「ママの応援」でクルマ1台作っちゃうのってすごい話だけど、百歩譲ってそれがアリでも、じゃあママってどこの誰よってことがまずひとつ。
女性にうれしいとされるのは、簡単シートアレンジに豊富な収納、赤外線カットガラスに花粉除去エアコン。バックモニターや連動のドアミラーなんだそう。でも、この手の装備は従来のミニバンでもほとんど網羅してるし、女性に・・・ということで性差を設けるなら、こういう内容でホントいいのと思う? こういうことで喜んじゃうわけ、いまどきの女性は?
あと5ナンバーサイズのワンモーションフォルムだ! というエクステリアだけど、それって初代ウィッシュと何か違うのかな。それに、くどいようだけどママはこういうカタチが好きなの? 僕は、怪しい中国メーカーが作った下手な日本車のコピー商品かと思った。インテリアも含めて、なんて言うか、創造性を放棄してるでしょ、これ。
|
|
まあね、大成功のパッソ(ブーン)に乗っていた独身女性が結婚したらそのままこちらへどうゾ、という気持ちは分かる。名前も引き継いでるし、何だかつかみどころがないけど嫌味もない内外装もそっくりだし。だけど、ホントに作っちゃうかなあ、そういう次元で。
僕は男だから関係ないのかもしれないけど、こんなので「はい、ママさんどうぞ」「はい、女性にやさしいでしょ」なーんてこと言われて当の女性はいいのかねえ? 何だかバカにされてると思わないのかな。私たちはこんな趣味してないわヨ、適当なこと言わないでヨって。あーいや、トマトの絵が付いたパッソでOKだからいいってことか・・・。
「未曾有」「100年に一度」という経済恐慌とは別に、国内販売の不振もある。その打開策のひとつとウワサされた富士重とのスポーツカー開発は凍結したけれど、そこに出てきたのは既存車をベースにした何と140万円台の3列シートミニバンだ。そりゃあ、秋にはもう出来てましたからってことなんだろうけど、こういうクルマが国内販売復活の使者になるってことなのか?
(09/01/06 すぎもとたかよし)
「日本の自動車評論を斬る! すぎもとたかよしのブログ」へ
|