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コラム&レビュー

新車心象風景:スズキ・ワゴンR

 
 今回は静粛性がウリなんです、という営業の方の話を聞いてアクセルを踏み込むとグオーンと威勢のいい音。ん? うるさいじゃないか。しかも、走り始めはかなりトロいし。

 内装、たしかに先代よりは作りがよくなっているけど、なんか薄べったい。価格表を見比べれば上級グレードは格上のスイフトよりお高いのに、なんでこんな質感に差があるんだろう。

 街中はともかく、高速を使うようであればやっぱりターボが要りますね、と営業マン。もう走り始めから体感が違いますから。ただ、燃費は少々落ちますけど、今度はCVTですから少しはいいかと・・・。なるほど、グオーンとなったのはNAだからか。

 しっかり走るなあ、と思ったら何と我がジェミニとホイールベースは同じじゃないか。あ、タイヤも同じ14インチだ。段差も気にならないし、後席も広い。


 四角四面に定規のようなラインを入れた道具感いっぱいのボディは、ついに小型車の文法を取り入れて色気を出した。この辺はセルボで勉強したということか。けれども、ライバルのムーヴほど情感は入れないで、一応歴代の香りは残してある。


 
 ここんところずっと感じているけれど、小型車や普通車のモデルチェンジに比べると、軽は1世代での諸々の向上感がえらく大きい。よく、軽と小型車では設計の次元がまったく違うみたいな話を聞くけれど、それが近づいているということなんだろうと思う。

 すると、やっぱり結論はいつも排気量の話になってしまう。エンジニアさんは660で頑張っているとは思うけど、安全性能を上げたボディはどんどん重くなるというジレンマもあるし。とにかく、居住性や乗り心地がここまで来ているんだから、現実的にこれ1台ですべてまかなえるクルマにするべきでしょ。この技術は日本の誇りなんだから、妙チクリンな規格は早いところ修正しないと。

 寸法が現行とおりなら1リッターエンジンでも同じ税体系でいいじゃん。それに衝突基準と内装のチープさを見直せば、軽は世界中でヒット間違いないでしょう。 いや、そのひとつの回答がパリショーの「ALTO」だとは思うけど、何だかもったいない。個人的にはトヨタの「iQ」なんかよりよっぽど支持されると思うけどなあ。

(08/10/05 すぎもとたかよし)

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