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コラム&レビュー

新車心象風景:日産・エクストレイル ディーゼル

 
 新車じゃないけど、大物グレード追加ってことで。エクストレイル、ディーゼルです。


 ポスト新長期をクリアするのはもう少々掛かると思っていたので正直驚きでしたね。もちろんMTとかの制限はあるけど、とにかく出したと。すでに3000台売れたというメルセデスEクラスだってまだ新長期対応だし。

 興味の的はどうやって売り込むのかなあと。CO2排出量が少ないとか、燃費がいいとか、あるいは軽油が安いとか。取りあえずクルマが世の中の悪者になりつつある現在はそういうアプローチが先なんだろうけど。

 面白いのは、いま売りのベストカーもそうだけど、こういう少燃費カーとなると、いきなりお金の計算始めちゃうこと。対応するガソリン車より高い分は燃費と燃料費の差から、えーと15年乗れば元がとれる、みたいな。でも、たとえばプリウスを買う人ってみんなそういう計算しているのかな? ウィッシュとは燃費が何キロ違うから、価格差を考えて十何年で元が取れる、よーし、じゃあ買って十何年乗るぞって・・・。うーん、僕は違うと思うんだけど。

 たいていの場合は、買ってから毎日の負担、つまりランニングコストを考えるんじゃないかなあ? 買うときの何十万円じゃなくて、その後の毎回のガソリン代とか。もちろん、それだけ燃費がいいクルマが欲しいとは思うわけだけど、じゃあ↑みたいに仮想計算して比べてるのかっていうと、どうもね。


 
 ということで、たとえば高トルクによる走行性能の高さなんかもアピールして欲しい。以前、僕もいまと同年式のジェミニ・ターボディーゼルに乗っていたけれど、MTの3速に入れておけばどこでも走れちゃう粘り強さと、たとえば中央道の急勾配を楽々駆け上がる仕事ぶりは魅力だったし。ま、当時は振動と騒音もスゴかったけど、いまの新世代ディーゼルはそのネガもほとんどないしね。

 そういえばフランスやイタリアの高速をレンタカーで走ったときも、追い越し車線をカッ飛ばしていたのはほとんどディーゼルだったっけ。決してCO2だけで選んでいるわけじゃないんでしょ、向こうも。排ガス、燃費、燃料費、そして動力性能。いくつもある魅力について、どちらかに偏ることなくユーザーに伝わればいいなと。

 あ、それとこれを機に排ガス規制についてもちゃんと周知したらどうかな。新長期とかポストとか、何だかややこしくてよく分かっていない人も多いんじゃないかと。こういうのがハッキリすれば安心して選択もできるでしょう。たとえば、この秋三菱もパジェロでディーゼル出すらしいけど、どうやら新長期対応って話でしょ。あー、日産とは違うワケねって理解できた方がいいもんね。

(08/09/08 すぎもとたかよし)

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