|
ある意味、当面のホンダを占うクルマなのかなと思う。
何で路面電車? という疑問はありつつ、たしかにルーミーな提案が面白かったモビリオの後継。でも、売れなかったんだからと修正した軌道はドップリなミニバン方向だった。
インスパイアみないなフロントに、フィットで採用した流行のキャラクターラインをより強くしたボディサイド。いまどきのホンダっぽさを散りばめてはいるけれど、基本的には「絵に描いたような」ミニバンスタイルなんである。バックドアの曲面処理なんかを考慮しても、まあ何て退屈。
けれども、モビリオの失敗やオデッセイの低迷で学んだのがこのコテコテ路線だというのは理解できる。ビックリ箱(by三本和彦)を続けていたら、いつの間にやらミニバンメーカーになっちゃったホンダが、これでまたコケるわけにはいかないんである。
|
|
当面のホンダを占うというのはそこのところだ。つまり、このフィット以上、ステップワゴン以下の5ナンバーミニバンがヒットすれば、もうこれからのホンダはこっち路線まっしぐらになるのが濃厚。そりゃ、会社的には儲かっていいだろうけど、何ともつまらない展開だし、もう先がドン詰まりになる気がする。
で、これがパッとしなかったらどうだろう。いや、僕はホンダの人たちはかなり深刻に考えると思う。どーすりゃいいのよ、って。
どーすりゃいいんでしょう? それ、いま考えればいいんじゃないでしょうか。ホンダのセダン群が全滅なのはべつにセダン不振だけが原因じゃないし、ワゴンやミニバンに当たりハズレがあるのはユーザーの気まぐれだけが理由じゃない、と僕は思う。
そうやってホンダらしさをもう一度考えるいい機会のような気がする。まあ、フリードが売れればOKだし、あとは北米だの中国で伸びればいいじゃん、ということなら仕方がないんだけど。
(08/06/05 すぎもとたかよし)
「日本の自動車評論を斬る! すぎもとたかよしのブログ」へ
|