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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:女性の意見?

 
 ベストカー誌でのトヨタ、ダイハツ、富士重協力関係合意特集。いや、今回は媒体ではなく、評論家の話。あれこれ記事があって、後ろの方に自動車評論家3名の意見を聞いているページがある。

 日下部保雄氏はトヨタの資金や技術を利用できるということで肯定。渡辺陽一郎氏はOEMで不振になる軽が上級車の足も引っ張るだろうということで否定。で、岩貞るみ子氏である。氏は大きく嘆くスバリストに向かってこう言い放っている。

 「この提携がよかったのか悪かったのか判断するのは、どんな結果を出すかを見てからでしょう」

 信じられない。この人には評論家として“状況分析”とか“取材”とかという思考はないのだろうか。結果が出てからなら誰だって判断できる。それを何でわざわざいま評論家に聞いているのかと言えば、専門家として現状で考えられることを聞くためでしょ。

 「軽自動車に関しては予算がないのか人がいないのか知らないけど、とにかく後手」

 知らないんだったら聞かなきゃ。取材してないんだったらこういうこと言っちゃダメだよ。その時間もないんだったら、せめてどう「後手」なのか、どうすればいいのかくらい提案しなくちゃ、何も中身がないじゃん。


 
 「軽自動車はやめて、スバルならではのクルマ作りに限られた資源を集中するのは当然」

 軽自動車だって「スバルらしさ」があるでしょ。レックスだって、プレオだってRシリーズだって。その軽がOEMでどうなの? って話でしょう。

 現行軽自動車がつまずいた。上級車種も思ったほど売れない。じゃあ、不振の軽はやめて、そのお金を上級車に回そう。今後の莫大な開発資金やラインナップを考えて他社と協力関係を深めよう。

 これはスバル自身が決めて発表したこと。つまり彼らの考え。けど、この岩貞氏が言っていることは単にそれをなぞって代弁しているだけで、評論家としての自己判断や意見がどこにもない。それなのに何だか居丈高。

 まあ、とにかく何もかもイヤ、全部反対、なんていう子供っぽいスバリストに「しっかりしなさい!」と言いたい気持ちは分かる。それと、最近出てきた数人の女性評論家が従来の狭いオタク的発想に陥らないところは評価している。けど、それにしたって中身がなくちゃダメでしょ。これじゃあ仕事にはなっていないよ。

(08/05/19 すぎもとたかよし)

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