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「間違えだらけ」の出版で知られる草思社が、再生法申請との新聞記事が出た。
連載していたマガジンXで、06年の春頃、巨匠へ取材をしたことを思い出したんである。その頃に「間違えだらけ」の最終版が出るという話があって、じゃあ、その終刊について話を聞きに行こうとなったわけである。
ところが取材開始早々「止めたんじゃなくて出版社を変えるだけだ」という回答があって、もう頭が真っ白に。だって、その時点で取材の意味がほとんどなくなってしまったわけだもんね。いやあ、あの日はキツかったなあ・・・。
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同社が負債を抱えたのは、この本が終わったからというより、流行の新書を設けないなど経営方針に無理が生じたらしい。だいたい、僕が最後に出版した7年前にはすでに出版不況なんて言われていて、純文学なんかだと超有名な作家でも初版数千部、しかも返品率が平気で30〜40%だっていうから大変なんである。
こんなんだから文学賞を若くて可愛い娘へあげちゃったりとか、誰でも飛びつきそうな自己分析本とか出しちゃうし、ついには実話と偽ったデタラメなケータイ小説なんてものまでが本になっちゃう。
自動車雑誌も厳しいのは同じで、そろそろ勝ち組と負け組が明らかになりそう。もちろん、雑誌数が増え過ぎたのもあるけど、やっぱり中身なのかなあ。売れなくなるとモディファイや改造みたいな安易な方向へ逃げちゃう。
で、新しい「間違えだらけ」は一体どうなるのかな?
(08/01/13 すぎもとたかよし)
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