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こんなのスカイラインじゃないという罵声を押しのけ、V36に進化したセダンはスカイライン久々のヒット作(いまどきのセダンにしては)になった。それじゃあ、このままクーペも行っちゃえ、なノリの新型である。
ポルシェデザイン社が関与したという先代クーペのエクステリアはかなりの評判だったけど、基本は変えずセダンの躍動感を引き継いだ新型もギリギリ「大丈夫」だったみたいだ。とくに実車を見るとそう思う。まあ、インテリアの質感向上も随分貢献しているとは思うけれど。
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V36はインフィニティとしてやっぱり北米メインに変わりはないのだけれど、渡辺謙とイチローを投入して、ちゃんとスカイラインに収まったのは何だかんだで大したもんだと思う。見回せばこんなアグレッシブで、しかも大人が乗れるセダンやクーペなんかどこにもないし。内外装や価格のバランスがしっかりしていれば、いまでもちょっとした市場はあるという見本なんである。
それに、このクーペの月間目標台数は何たって200台である。スカイラインだからとか、根性入れて作ったからとか、そういう曖昧な根拠に寄りかからず現実を見つめた生産計画もまた実に興味深い。
マツダ・アテンザがマツダ6として欧州で人気があるように、いまや多くの国産車が海外でも売られているけれど、そういうクルマが国内では伝統あるブランドとして売られているのは結構珍しいし、なかなか面白いと思う。
(07/10/19 すぎもとたかよし)
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