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コラム&レビュー

新車心象風景:マツダ・デミオ

 
 マツダの命運を賭けた、と社長さん自ら語った新型である。


 サイズ縮小自体は、実は日産マーチが2代続けてチャレンジしているし、そもそも先代デミオはライバルよりも大きかったので個人的にはあまり?だった。ただ、軽量化は素直に感心。

 ま、とにかくスタイルなんである。アテンザ、アクセラと、元々欧州で強いマツダがさらに評判を良くした2車に続くには、もうワゴンタイプはいかんということらしい。で、やるならトコトンやっちゃえというエクステリアはRX-8のデザイナーが担当したと。


 
 大きな弧を描いたフロントフェンダーと、明快なキャラクターラインはその証。ただ、ラインが上に向かって駆け上がるのはデミオの特徴で、この小さなボディに動きを与えるためにはこのくらいやらないとダメだったんだろう。個人的には現代メルセデス・ベンツの“いきなり”なラインなんかよりは自然だと思う。

 ユーノス500やランティスなど、もともとマツダには優秀なデザイナーがいたんだけれど、時代やら技術やらでなかなか噛み合わなかった歯車が、どうやらここにきてピタリと合い始めている。こうなりゃデザイナーは楽しいんだろうな。

 ところで、先述のとおりこのデミオは欧州指向。けれども「最近の日本車は外国ばかりに目が行っておる!」とお嘆きの評論家諸氏にも何だか評判がよろしい。それが単に5ナンバーに収まっているからなのかどうか知らないけれど、いい気なモンである。要はサイズじゃなくて、本物志向かどうかという話なんだけどね。

(07/07/07 すぎもとたかよし)

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