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コラム&レビュー

自動車雑誌を斬る!:刷り込み評論

 
 いま売りのベストカーで”日本車の何でも大賞”といった小特集をやっているんだけど、ああ、まだこんな人いたんだ、という記事がある。

 それは「最もカッコ悪い日本車だったで賞」での評論家K氏。何でもかつてのU13型ブルーバード・セダンがとくにヒドかったということで、その理由が「尻下がり」だったからなんだって。

 7年位前に出した本にも書いたんだけど、これって”刷り込み”なんだよね。”尻下がりのクルマはカッコ悪い”という日本車の歴史に刻み込まれた刷り込み。まあ、恐らくは410ブルーバードあたりが発端だと思うんだけど、それが完全に頭に入っちゃってる。

 
 その証拠にね、「最もカッコいい日本車だったで賞」で117クーペ推してるんだよね、この人。でも、117ってしっかり尻下がりでしょ。じゃあ、どうして最もカッコいいなんて言ったか? 多分”117クーペは文句なく名車である”という、これまたズバリ刷り込みなんだよね。おまけに”やっぱりハンドメイドじゃないとダメ”なんて、さらに刷り込みの二乗。

 つまり、自分の感性で物を判断できないのね、こういう人って。先のブルーバードでは「ハードトップのARXはまだしも」なんて言ってるんだけど、これも当時のHT人気の刷り込みでしょう。ARXのとんでもない中途半端さはそれこそヒドかったのにさ。要は部分じゃなくてクルマ全体でどうなのかが問題なんだけど、その判断ができない。いや、自分は判断しているつもりなんだけろうけど・・・。

 当時のレパードJ・フェリーも同じこと言われているんだけど、こういう恥ずかしい刷り込みドップリの人がまだいるなんて驚きでしょう。この情報化時代にほとんど化石人間だよね。それでもプロとしてやってるんだからスゴイよなあ・・・。

(07/05/02 すぎもとたかよし)

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