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コラム&レビュー

新車心象風景:三菱・デリカD:5

 
 何しろ先代はパジェロのシャシーにボディを載せていたもんだから、乗り降りにはステップが必要なくらい背高で、こんなクルマに次はないだろうと思っていたら、しっかりモデルチェンジである。


 引き続き悪路走破性を信条とするけれど、今度はさすがにパジェロじゃなくてアウトランダーがベース。この辺の判断はきっと賢明で、試乗会で横倒し続出なんてことはないんだろう。さらに、技術主義の三菱らしく、ボディは環状骨格を採用したそうで、これも大きなウリなんである。

 まあ、いまどき悪路を突っ走る人も少ないだろうから、そういう性能はあまり関係なく、とにかく3列シートのミニバンが欲しいユーザーの選択肢に入ることになるんだろうと思う。その時にこの地上高が不便と思うか否かで決まると。


 
 僕はミニバンに興味はないものの、実は前回の東京モーターショウでのコンセプトカーには惹かれるものがあった。スクエアなイメージをモール等で強調する手法はすでにホンダがステップワゴンで実践済みだけど、その表現がさらに踏み込んでいて、ヘッドライトからボディ後端までしっかり作り込んであったからである。

 けれども、そのスクエアイメージを特徴と言いながら、実際にはかなりコンセプトカーのイメージから離れてしまったのが惜しい。たしかにシルエットはあまり変わってないけれど、ヘッドライトの形状や角度、ボディを包んでいたモール状の装飾がほとんど消えて、何て言うか、随分とフツーになってしまった。アイや新しいランサーがほとんどそのまま市販化されたから、尚のこともったいないと思う。あのまま出れば、それだけで意味があったんじゃないかと・・・。月販2300台と結構強気だけど、大丈夫なのか?

 それにしても、アイ、ekワゴン、パジェロと新型を次々に送り出す三菱だけど、例の不祥事がウソのよう。相変わらず雑誌記事は「頑張れ三菱」調だし、もう禊ぎは済んだ、社会的責任は十分負ったっていうことなのかな。裁判沙汰のふそうは別会社だしね。

 個人的にはとてもそうは思えないんだけど、世の中的にはもうオッケーなのかな?

(07/02/02 すぎもとたかよし)

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